水商売は、一にも二にも抜き物だ。
抜き物-それはワインやシャンパンといった、開けたら飲みきる酒のことだ。
栓を開けることから抜き物、と呼ばれたのであろう。
この抜き物、飲み切りでキープ出来ないために、水商売の店では短期売上増要員として非常に重宝される。
店のイベントで抜き物、ホステスにシュワシュワが飲みたいと言われ抜き物、ホストに売上に貢献しろと言われて抜き物だ。
ちなみにホストクラブでは、リシャールといったお高いブランデーも短期売上増員として徴兵される。
もはや抜き物が金になっているのだ。
ワインやシャンパンを作っている人たちは、まさか自分たちの作ったお酒が日本では金のように扱われ、大半は味わうこともなく消費されているなどと思うまい。
味わって飲むもののはずが、金に換わる物として、大量に消費されているのだ。
ワイン農家や酒造者の人が聞いたら泣くのではないか。
ホストクラブでなんか、ビンダといって、シャンパンの瓶ごと一気飲みするらしい。
そんな飲み方は、本来は想定されていないはずだ。
いくら酒が好きな者でも、毎日のように売上のためにワインやシャンパンを飲んでいたら、嫌にならないだろうか。
もうバブルもとっくにはじけたことだし、こんなアホな飲み方そろそろ止めないか。
シャンメリーなんてどうだろうか。アルコールを大量にガブ飲みするのは危ないから。