りんごのうえん

反資本主義、反家父長制

『Irreversible Damage: The Transgender Craze Seducing Our Daughters』への批判まとめ

わたしがインターネットを通して見つけた批判テキストや動画へのリンクを、ここにまとめておきたいと思う。
※このブログでは、できるだけヘイトスピーチを引用しないようにしているが、本書の内容が内容なため、各自ご注意ください。

(3.11追記)本書の表紙が当事者にとってヘイトフルであるという指摘から、表紙が表示されるものにも注意喚起をつけました。

アビゲイル・シュライアー著『Irreversible Damage: The Transgender Craze Seducing Our Daughters』は、2020年にアメリカで刊行されて以降、専門家や当事者などから数多くの批判や指摘を受けていることがわかる。
とりわけ、本書の核となっているROGD(Rapid-onset gender dysphoria)について、科学的根拠に乏しいという批判が多いようだ。“ROGD”、一見するとなにやら医学的な用語だと認識してしまいそうになるが、実はまったくデタラメな概念であると指摘されている。

  • KADOKAWA出版予定だった本の6つの問題。専門家は『あの子もトランスジェンダーになった』は誤情報に溢れていると指摘
    https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_65792b28e4b0fca7ad228fef
    ⚠表紙注意。日本語。
    ジャック・ターバンという医学博士による指摘。どこが誤情報であるか、端的にまとめられている。
  • The Science of Transgender Treatment
    https://sciencebasedmedicine.org/the-science-of-transgender-treatment/
    英語。
    このScience-Based Medicineによる批判記事は、有志のかたによって英文から日本語に機械翻訳されたものがアップされている。以下にリンクを貼っておく。
    https://crowclaw-2.hatenadiary.org/entry/2022/01/07/040450
  • 『あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇』の内容について
    https://note.com/nkaiho/n/n4db3fa22a2f0
    日本語。
    実際に読んだ者による感想
  • SNSによって性別違和が「伝染」するという主張(Rapid-onset gender dysphoria、ROGD)について
    https://herve-guibertlovesmovies.hatenablog.com/entry/2023/12/06/232911
    日本語。具体的な数字や引用元が上がっているので、比較的わかりやすいかと思う。
  • CAAPS Position Statement on Rapid Onset Gender Dysphoria (ROGD) 
    https://www.caaps.co/rogd-statement
    英語。CAAPSによる、RODGに対しての声明
  • 波紋広げた研究論文、トランスジェンダー伝染説はいかにして利用されたか
    https://www.technologyreview.jp/s/285249/how-the-idea-of-a-transgender-contagion-went-viral-and-caused-untold-harm/
    日本語。アビゲイル・シュライアーが本書を書くにあたり参考にした「ROGD(急性性別違和症候群)」をめぐる論文は科学的根拠に乏しい、という指摘。全文を読むには会員登録する必要がある。
  • Breaking Down Rapid-Onset Gender Dysphoria
    https://youtu.be/JoiPJc7zsJM
    ⚠表紙注意。英語。
    心理学の博士号を持つでもあるトランスジェンダー男性のジェイミーが、ROGDがいかにデタラメであるかを解説している動画。
  • Transphobic Book Targets Me & Other Trans Creators, LGBT YouTubers Promote It
    https://www.youtube.com/watch?v=B5kkg90rL1M
    ⚠表紙注意。英語。
    本書に勝手に取り上げられてしまった、Ty Turnerによる動画。
    「学術的な立場からの批判は他にも上がっているが、勝手に登場させられたトランス当事者の立場から、特に本書の『インフルエンサー』という章に言及している」と、動画冒頭で説明されている。また、「この本は読むべきではない」と、強く批判している。Googleでも検索しないほうがいい、検索するなら注意喚起を付けるべきである、皆がこの本を読みたいわけではない、本書で取り上げられている他のインフルエンサーに言及することには注意せよ、との注意喚起もある。
    動画によると、本書では他にも複数人のトランスマスキュリンなインフルエンサーが取り上げられているが、著者は彼らのことを一貫して「She」と呼んで“女の子” 扱いしているとのこと。また、見た目や声などに執拗に言及し、彼らについて「いかに女性的に見えるか」を書き綴っているようだ。わたしは、この動画を観たかぎり著者の態度が嫌がらせだとしか思えなかった。
    たとえば、Ty TurnerのTwitterのプロフィール(https://twitter.com/skeletyturner)には、代名詞は「he/him」と書かれている。本人の呼ばれたい代名詞をシカトして、著者の呼びたいように呼ぶことは、不誠実な態度ではないだろうか……?
  • apology for transphobic book involvement
    https://www.youtube.com/watch?v=weL18325rTs
    英語。
    著者から本のタイトルなど何も知らされないままインタビューを受けてしまった者による動画。著者の経歴などを調べずにインタビューを引き受けてしまったことに対し責任を感じているようだが、わたしは、著者のインタビュー方法にも問題があったのではないかと考えている。
  • トランスジェンダー差別助長につながる書籍の刊行が中止に
    https://www.outjapan.co.jp/pride_japan/news/2023/12/27.html   
    この記事では、2023年12月にKADOKAWAが刊行告知をしてから発売中止を公表するまでの間に、市民の側でどのような抗議があったかが分かりやすくまとめられていると思う。このブログで紹介している他のリンクも記載されていたりする
  • The "Irreversible Damage" Of Transgender Puberty Blocker Legislation
    https://youtu.be/pvqGKNrLKZQ?si=uhXcgVkm4oVLA-63
    ⚠表紙注意。英語。
    この動画では、4つのパートに分けて本書を批判している。
    1、ROGDはトンデモ理論
    2、未成年に不可逆的な手術を薦めるトランスインフルエンサーっているの? 多くのトランスインフルエンサーは、思春期ブロッカーの必要性を説いている。思春期ブロッカーは安全であり、可逆的なものである。思春期ブロッカーでモラトリアム的な期間を作りつつ、本人が大人になって充分な判断力が付いてから性別適合手術をするべきだという意見が大半だろう。また、性別適合手術の後悔率は、他の美容外科手術と比較しても優位に低い。
    3、本書ではトランスパーソンを非人間化して扱っており、非常に問題である
    4、まとめ。この本は有害である。著者のアビゲイル・シュライアーへの人格攻撃をしたいわけではなく、本の内容についての批判をしたい。
      • “Irreversible Damage”への反論まとめ

        https://sykality.wordpress.com/2024/03/10/irreversible-damage/
        Sykalityさんによる反論のまとめ。当ブログも言及されている。こちらでは取り上げていない論文なども記載されているので、ぜひこちらもご参考にされてください。

他にも、批判や指摘のテキストや動画などが見つかり次第、随時情報を更新していきたいと思う。

【3.11追記】
記事や動画に対し、自分のコメントを追加。表紙が出てくる記事に注意喚起マークを付けた。
また、sykalityさんによる反論まとめのリンクも追加させてもらった。